或る国王と剣士のお話番外編
<拍手お礼1>或る国王と剣士のお話・番外編@
『夏なので、スイカが執務室に届いたの巻』
登場人物→ファイ・黒鋼・チィ・蘇芳(どれがどの人のセリフかは、適当に想像して下さい)
「わあースイカだぁー!!大きいね♪スイカ割りしたーい!」
「室内でかよ」
「うん。棒持ってきてー、パカっと!」
「・・知ってるか?スイカ割りって実際やると、木っ端微塵に砕けるんだよ。
汁や実や種が飛んで、ベットベトだ」
「ええ!真っ二つになるんじゃないのーっ?!ゆ、夢がないー・・!
じゃあここでやるのはやめて、海に行って砂浜でやろー!なら大丈夫でしょー?」
「ファイ様が海ですか?!似合いませんよー」
「そうだな。こいつはプールだな。それも室内の」
「スイカのビーチボールとか持ってると、きっとお似合いですー」
「ふたりとも、ひどいー・・。プールじゃスイカ割りできないでしょー?海行こうよ海!」
「今海では越前クラゲが大繁殖してるらしいです。
何でも、ここら辺りでも産卵をするようなって、さらに増殖予定だとか」
「いやああああああ!!!!!夢がないこと言わないでー!!何とかして!クロえもーん!」
「『黒衛門』と書くと、和風な感じで黒鋼様によく似合いますね!黒鋼よりも、しっくりきますよー。
改名したらどうですか?クロえもん様」
「ドラえもんも、ドラ衛門と書くと、和風な感じだねー。テレビ欄にドラ衛門て書いてあったら、気になるねー。
じゃなくて、海だよ海!行こうよーう」
「やめろ、お前には砂浜と太陽が似合わない」
「やめたほうがいいですよ、ファイ様が夏の海にいると不自然です」
「やめたほうがいいと思います。クラゲに刺されます」
「うわーん、みんなひどいー!」
<拍手お礼2> 或る国王と剣士のお話・番外編A
『皆でプールに行くの巻』
「ご覧下さいファイ様!念願のプールですよ!!」
「いや、だからオレは海がいいって・・。
でもこのプール懐かしいなー。そういえばお城の地下にプールがあったんだったね。
小さい頃、よくここで遊ばせてもらったよー」
「何で俺までプールで遊ばないといけねえんだよ!」
「まあまあ黒たん。せっかくだし一緒にスイカのビーチボールでバレーしようよー」
「それより黒鋼様、どうして黒のサーフパンツなんですか?普通にカッコよくて面白くないです」
「ねえ?黒のブーメランパンツとかなら笑えるのにー」
「てめえら俺に何を求めてるんだよ!!」
「そんなこと言いながら黒鋼様。目はファイ様に釘付けですね?無理もありません。
薄水色の大きめのパーカーから伸びた、カモシカのような白いおみ足!
長めの袖口の先にちょっとのぞく、細い指先!華奢な首、お人形のような綺麗なお顔・・・。
このパーカーを脱いだらどうなるか、気にならないはずはありません!
期待を裏切りませんよ!いえ、ひょっとしたら失神なさるかもしれません。
さあ!ファイ様、パーカーの前ファスナーを、今・オープンッ!!」
「・・すごい脱ぎにくい前フリやめて欲しいんだけど・・。
あれ、チィは水着じゃないね?着替えて、一緒にビーチバレーやろうよー」
「いえ、半裸の血気盛んな若人を残して、チィは立ち去ります」
「どーゆー言い草だよ」
「頃合を見てフルーツなど差し入れに参りますので、あまり羽目を外さないようにお願いしますね。
では」
「あらら、チィ行っちゃったねー。じゃ、二人で泳ごうかー」
「って、待て!ストップ!パーカー脱ぐな!!」
「んー?」
「・・・その下どうなってんだよ・・」
「どうって。普通だよ、普通ー」
「普通ってことは・・海パン一丁?まさか・・上半身・・はだ・・・!」
「なに固まってるのー?」
「いかんはやまるな!ここ・こんな明るいところで・・!!トップレスビーチは反対だ!!」
「ええー?!黒たん顔赤いよ?熱でもあるのー?!」
<拍手お礼3> 或る国王と剣士のお話・番外編B
『ビーチバレーもいいもんだの巻』
「って、何だよその水着!!中世ヨーロッパの風刺画でしか見たことねえよ!!」
「(腕、腿も隠れるワンピースタイプで縞々のアレ)セレス王族は代々このタイプの水着なんだ。
じゃあ、早速ビーチバレーやろう♪せっかくだし、プールに入ってやろうよ。
先に落とした方が負け!」
「期待した分、やる気が萎えたんだが」
「何を期待してたの?それでー、勝負は賭けるものがあったほうが燃えるから、こうしよう!
負けた方は勝った方の言うことを、ひとつだけ、何でも聞くの!」
「何ィ?!何でも?本当に何でもか!」
「うん。黒たんは勝ったら何を命令するつもり?」
「そりゃあ・・口には出せねえような・・。おまえは?」
「腹踊りしながらお城一周して欲しいー」
「何でもだぞ?!何でも命令できるのにソレか?!俺がそれやっておまえに何の利点があるんだよ?!」
「おもしろいもーん。じゃあ始めるよー」
「ふん、今から30分後にはとっくに勝負は付いていて、負けた方は罰ゲーム中ということだな。
この俺に勝負を挑んだこと、後悔するなよ」
「オレだって負けないもーん!」
ー30分後ー
「やぁん、黒たぁん・・!もうオレダメぇ・・カラダが・・っ」
「何言ってやがる、これからだぞ!」
「もお、何で30分続けてもバレーの勝負が付かないのー?!もうオレ駄目、疲れたー!」
「ならいい加減、ボール落とせよ」
「いや!絶対勝つんだもんー」
「オレの腹踊りに何故そこまで執着を。くそう、忘れていた。
こいつも結構運動神経よかったんだった。しかしそろそろ持久力も限界だろう」
「う・・本当にもう・・だ・め・・」(ふらつくファイ)
「っ!!ファイ!!!大丈夫か!」(駆けつけて支える黒鋼)
「・・ありがと・・。あ!黒たんボール!打たなかったの?!」
「何言ってんだ。勝負より、おまえの体のほうが大事だろうが」
「・・黒たん・・」
「雫の滴る髪・・疲れきって虚ろな瞳・・ムラムラするぜ」
「わ!!俺の台詞じゃないぞ!チィ!おまえ誤解を招くようなことを言うな!!」
「いいムードになったら割り込んで登場しようと思っていたのに、ファイ様達ったらずっと
真剣にバレーしてるんですもの。お陰で30分も待ち惚けです!そんなにバレーが好きだとは!!
フルーツがあったかくなってしまったので、また冷やし直さないと・・。
冷やすので、そろそろプール上がって、国王室で頂きませんか?」
「おんぶしてもらっちゃって、ごめんねー黒たん」
「もう歩けねえんだろ。こんなになるまで頑張らなくたって・・。
勝負は勝負だ。落とした俺が負けだ。そんなに見たいなら腹踊りくらいやってやるよ・・」
「途中で、お願いは、変えてたの」
「ん?」
「腹踊りはいいから、また、黒たんとビーチバレーやりたいな・・楽しかったから。
そういうお願い。いい?」
「・・ああ」
そんなことをお願いするために、ファイは頑張ってバレーをしていたのか。
命令されなくたって、バレーくらいいくらでも付き合ってやるのに。
ファイのそういうところが、可愛いと思う。
そして国王室に戻った俺たちは、事の発端となったスイカを皆でおいしく頂いたのであった。
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