ふたご幸せ物語・初えっち編4
ザッと勢いよく響く水音、白く立ち込める湯気。
頭から流れ伝う熱い雫に、目を閉じ思い返す。
双子の策略に嵌り本心を露呈してしまったのは、一時間程前の事。
他を見ろなんて口では言いながら、ずっと傍にいるはずだと信じていた事に、俺はやっと気が付いた。
こいつらを誰より愛していて、誰にも渡したくない。
やっぱり双子は俺だけを見ていて、俺だけのものでーそれが、胸苦しい程の喜びを生む。
愛しい思いを伝えたくてぎゅっと抱き締めると、潤む蒼には他の誰でもなく、俺だけが写り込んでいた。
「ねぇ、黒たん・・オレ達の初めて、奪ってくれるんだよね・・・v」
「黒たんとひとつに、なりたいよぉー・・v」
擦り寄る甘い身体はいつだって、これからもずっと俺だけを求めてくれるのだ。
この手で切なげに鳴かせて、うっとりと蕩ける姿を見たい。俺の全てを注ぎ込んで、自分だけのものにしたい。
愛しさの余り身体までも欲する独占欲は、胸の奥に隠した欲望を突き動かすけれど。
「でもな、そいういうこと・・は、おまえらみてぇなガキの身体じゃ、まだ負担なんだよ・・」
衝動を抑えきれず欲望の赴くまま貪って、幼い身体を傷付けるような事があったら。
金の髪を撫でながら諌める言葉は、俺を求めてくれる双子へではなく、彼らを欲する自分へと向けたものだ。
「黒たん・・オレ達みたいなコドモとなんて・・したくないー・・?」
「やだよぉ・・大好きな黒たんの・・ぜんぶ、欲しいんだもん・・」
傷付いたように眉根を寄せ、上着越しに俺の胸を辿る幼い指。舌っ足らずなおねだりと指先の熱に煽られて、
残り僅かな自制心さえも溶かされそうになる。常にくすぶっていた身体の奥の熱が、昂ぶってゆく。
このまま押し倒して、思うままに抱いてしまいたい。
しかし自分を見詰める澄んだ瞳に、伸ばしかけた手を何とか押し留めた。
愛する双子を、世界中の誰よりも幸せにしたい。
本当にこの行為は、こいつらにとって幸せに繋がるのだろうか。
確信が持てなくて、後から俺の部屋へ来いとだけ告げて、そっと身体を離した。
上の空の夕食を終え、双子には先に風呂を終えさせて。
そして、強く噴き出すシャワーに一人打たれながら、目を閉じる。
浮かぶのは、満面の笑顔で小さな手を一生懸命伸べ、全身で信頼と愛情を示してくれる可愛い双子。
俺の何より大事な、愛しい宝物。
何を賭しても守ろうと誓ったあの日から、大切にして、大切にしたくて。
彼らに対する想いは、誰より何より強いという自信がある。
(・・だから、きっとこれは・・)
他の人間になど、こんな感情は湧かない。
好きだから、愛しているから。身体も欲する、きっとそれは卑しい欲望でなく。
(・・・愛を伝える、行為なんだ・・)
きゅっと強く蛇口を締めて、伝い落ちる水滴もそのままに瞳を開いた。
「ファイ、ユゥイ」
覚悟を決めて自室のドアノブを回すと、鼻先を擽ったのは甘ったるい花の香り。
宝石のような蒼がこちらへ向けられ、ベットにちょこんと並ぶ二人の頬がほんのり染まった。
シャンプーの残香漂う髪は、揃いの白いネグリジェに煌く波となって流れ落ちる。
(・・・・・可愛い・・)
いつもベットで待ち伏せしてはきゃっきゃと飛び付いてくる双子だが、初めての体験を前に恥じらい
緊張しているようだ。
ずっと大切に育ててきた双子の全てを、今、自分のものにするのだと思うと。
双子より自分の方が緊張しているのかも知れず、小さく深呼吸をしてからベットに乗り上げて胡坐をかいた。
「おら、こっち来いよ」
「・・黒、たん・・」
「ぅ・・・ん」
手招きにぎこちなく近寄ってきた双子だが、手を伸ばしてやっと届くくらいの距離でもじもじと留まってしまう。
いつもの過剰すぎるスキンシップとの余りのギャップに、ついくすりと笑みを零してしまった。
「何だ?俺を騙した上さんざん誘っといて、ムチャクチャ緊張してんじゃねぇかよ」
「・・・だってぇ・・、ほ、ホントはね。ちょっとだけ・・恐い、の。
女のコと、違うから・・ちょっと痛いって・・聞いたもん・・」
「で、でも・・平気だよ!・・だいじょうぶだから、ちゃんとしてね・・?
は・・はじめては、全部・・・黒たんが、いいから・・」
積極的かと思いきや、いざとなれば小猫のように震えてしまう様がいじらしくて、愛しさが募る。
こいつらには、初めての海も初めての遊園地も、全部俺が教えてやった。
これからも全ての初めてを、俺がこの手で教えてやりたい。
ーいや、制御できないほどの独占欲や息苦しいほどの愛しさは、初めて知った感情で。
俺が双子に初めて教えられていることも、数え切れない程あるのだろう。
「・・恐ぇなら、無理する必要はねぇ。今日は添い寝だけにしておくか?」
大切にしたくて囁いた言葉に、双子は俺を見上げてふるふると首を横に振った。
「あのね、あんなウソついたけど・・ホントは他の人となんて、ぜったいにヤなんだよ!」
「黒たんだから、してほしいの。大好きな黒たんのこと、もっといっぱい、感じたいからー・・」
好きだから、もっと近付きたい。好きだから、もっと強く感じたい。
(・・そうだよな、こいつらも・・)
他の誰にも、こんな感情は湧かない。
身体も欲っするーーーこれはきっと、愛を伝える行為だから。
「恐がらなくていいからな。やさしく、教えてやる・・」
嬉しそうに微笑んで、やっといつものように飛び付いてきた双子を両腕で優しく抱きとめた。
薄いネグリジェ越しに感じる、柔らかくて華奢な身体。金の猫毛に口付けると、甘い香りに酔いそうになる。
「オレ達の・・爪の先までぜんぶ、黒たんのものだよー・・v」
「ねぇ、黒たんを・・いっぱい、ちょうだい・・v」
この蜜を、好きにしていいよと囁かれて。
双子を渇望する衝動にこの身を委ねてしまってもーもう、仕方がないことだ。
ミルク色の滑らかな肌からネグリジェを滑らせ、淡く可愛い胸飾りを晒させて。
白い生地にピンクのリボンがあしらわれた下着だけ身に付けた双子は、指を絡め恥ずかしそうに俯いた。
穢れないきめ細かな肌に、思わずこくりと喉を鳴らす。
いつもバスルームでそっと泡を滑らせて洗っている、華奢な身体。
ずっと大切にしてきた柔肌をついにベットの上で汚してしまうのだと思うと、禁を犯すようで鼓動が高まる。
ぺたりと座る、艶かしい白腿を俺の手で汚したい。無垢な身体に、俺の欲望を突き入れてしまいたい。
衝動に任せて自分の寝着の上を脱いでみせると、細い肩がぴくりと震えた。
少し怯えたような双子をあやすように抱き寄せ膝に乗せると、ぺたりと寄り添い身を任せてくる。
固く浅黒い肌と傷付きやすく真っ白な肌が重なり、その違いに知らずと息が上がってきた。
少しこわばる小さな身体から、とくとくと心臓の高鳴りが伝わってくる。そんな様子にも
愛しさは増すばかりで、二人を安心させるように可愛い額にチュッと口付けてやった。
「くろ、たん・・」
細い腕を首に巻きつけて甘えてきたファイの頬を包み、小さな可愛い唇を奪う。
ピンクの唇を舌でゆっくり辿るとつられるように開かれ、真珠のような歯列の隙間から舌をぐいと挿し入れた。
狭く柔らかい口内を擦るように舐め、小さな舌をそっと吸い上げる。
「ん・・っ、・・ぅん・・」
瞳を閉じて零す声は鼻に掛かかり、ただされるがままで。従順な態度が堪らなくて、このまま優しく
愛してやりたい気持ちと、激しく奪ってしまいたい気持ちが交互に渦巻く。
唇を開放し、白く小さな耳朶を口に含んで音を立てて強く吸った。
「は・・っ、ぁあ・・・・」
「黒たぁん・・オレも、してぇ・・・v」
吐息を零しながらくてんと胸に倒れ込んでしまったファイを見て、ユゥイが拗ねたように擦り寄ってくる。
唇から桃色の小さな舌をちろりと覗かせるのは、ファイとしたような濃厚なキスをねだってのこと。
しかしその様はいやらしさより子猫がミルクをねだるようにあどけなく、可愛らしい仕草が逆に加虐欲を煽り立てた。
小さな後頭部を手のひらで支えて伸べられた舌を強く絡め取り、噛み付くように口付ける。
唇を押し付けるようにして、息が出来ないくらい深くまで舌で犯して。
「・・ふ、・・にぁ・・っ」
深すぎる口付けで苦しげな吐息を逃がしてやると、子猫のような鳴き声が上がる。
劣情にかられたままもう一度唇を塞ぎ、ちゅくちゅくと唾液を流し込みながら指先は華奢な身体を弄った。
細腰から小さく形のいい双丘へと手のひらを這わせて、撫で回す。双丘はマシュマロのように柔らかで、
下着越しでは足りず擦り下げて直に揉みしだいた。
「あ・・っ、あぁん・・・っ!」
強く揉みしだきながら唇を外すと、透明の唾液を一筋零したまま艶めいた鳴き声を上げる。
上気し震える身体を片腕で抱き締め、くったりと胸に倒れこんだままの片割れを揺り起こした。
「おい・・いくぞ。ファイ・・」
「・・ぇ・・」
力が抜けたままのファイの細い指先を口に含み、薄い爪を舌で柔らかく辿る。身体を震わせ細い吐息を零す
ファイを優しくベットに横たえて、その手首を掴み双子の兄弟へと差し出した。
「ほら・・ユゥイ。ファイの両手、ベットに押さえろよ」
「・・・ぅ、ん・・」
夢見心地のようなユゥイは言い付けに従い、仰向けに寝かされたファイの両手をその頭上まで掲げベットに
貼り付ける。
朦朧としたまま拘束されているファイの腰を掴み、淡く色づく胸の突起をぬるりと舐め上げた。
「あッ・・!や、ぁ・・・っ」
ビクリと反応した身体に我に返ったファイは高い悲鳴を上げて身を捩ったが、腕と腰を捕らえる二人の手から逃れられず、
好きなように嬲られてビクビクと震えることしか出来ない。
もっと鳴き声を聞きたくて、舐めた胸を優しく吸い上げながらもう片方の粒を指でくりくりと転がした。
「あ、ぁ・・!ぅん・・っ」
「なぁ、キモチいいだろ・・?」
ぴんと立った胸先を紅く染め、潤みきった瞳で息を上げるファイの姿に。
胸の奥の何かが弾けて、乱暴に下着を剥ぎ取り細い両脚をぐいと掴み上げた。
折り曲げた膝裏を肩まで抱え上げて両腿を大きく開かせ、全てを目の前に晒させて。
「や・・!・・く・・くろ、た・・?!」
ピンクの小さなファイのものと、ひくひく震える可愛らしい後孔。
淫らな格好を強要され、ファイはそんな所までも全て晒す堪えきれない羞恥に身を震わせた。
「全部、俺のものなんだろ・・?」
耳元に流し込んだ低い囁きにぎゅっと目を瞑ったファイは、横を向き小さく頷いたーけれど。
次いで吐息を感じた箇所に目を見開き、頬を真っ赤に染めた。
「や・・っダメぇ!そ・・っそんなトコ・・っ」
「動くな、大丈夫だ」
口でする行為は知らないのだろう、動揺し閉じようとするファイの脚を強引に大きく押し拡げる。
「ユゥイ、ちゃんと腕、押さえててやれよ・・」
「ぁ・・・」
自分と同じ顔をした片割れが無理矢理全てを晒されて、恥ずかしくて堪らない箇所に唇を寄せられている。
逃げようと身を捩るのを押さえ付ける倒錯的な行為が何かを呼び起こしたのか、ユゥイは熱に浮かされたように
強く腕を固定した。
「ダメ・・!あ・・・っ、ぁあんッッ」
ファイの小さなそれをそっと口に含むと、華奢な身体に電気が走ったように大きく撓る。
もがこうとする腕を拘束するユゥイの瞳の色は、喘ぐファイに共鳴してか、その心に元から潜むものなのか、
淫らな色を灯しているように見えた。可愛い唇で、同じ顔をした兄弟にいっそ無邪気に問い掛ける。
「ねぇ、ファイ・・キモチいい・・?」
「ぁ・・っ、・・離し、てぇっ・・!ぁあっ・・・」
悲鳴に近い嬌声を上げるファイの肌は次第に上気し、触れればしっとりと吸い付くようで。こんなに優しく
舐めているだけなのに、それはツンと固く上向いて蜜をじわじわと滲ませた。嫌だと身を捩りながらも、
無意識にだろう腰を押し付けてくるいやらしさに、何も考えられなくなってくる。
「ぁあ・・!んっ・・、ィィ・・っ!黒た・・ぁ・・ッ」
「もっと・・悦くしてやるからな・・」
蕩ける身体は、互いの思考をも蕩けさせてゆくーーー
次回は裏らしく、もっと激しくなって参ります予定v
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